2019/1/29
2019/1/23
今朝ビデオレッスンで教えていて気付いたが、最近の課題の半分以上は体重移動に関連する。
体重移動、重心移動を脚の運動だと思ったり、脚の筋肉を鍛えれば速く走れる、高くジャンプできる、老化が防げる、などと思っていたらかえって脚を壊してしまう。
脚は丹田で操る。が、丹田、というと良く分からない人には、脚は腸腰筋で操る、と言い換えている。腸腰筋が命門あたりから斜め下方に骨盤に沿って大腿骨の内転子にまでつながっているところをみると、そこに囲まれた空間はまさに中丹田+下丹田だから、筋肉を見るか、筋肉で囲まれた空間を見るか、という大きな違いはあるが、最初のうちはそれでも良いかと思っている。
バレエのダンサー達がバーレッスンで練習しているのも脚を腸腰筋で操る練習。彼らの場合はもはや肋骨から脚を生やそうとしているのかもしれない。
幸い、私達には彼らにない”丹田”があるので、最終的には全て丹田で操作してしまう。
丹田を回すことで脚が運ばれれば、いつ足裏が地面に着地するかとか、どうやったら膝に負担をかけずに動けるか、どうやって股関節を緩めるか、どうやって胴体と脚を同時に動かすのか、という個別の問題はクリアされてしまう。
先週感動して教えた、しゃがむ際、脚を上げる際の”股関節と踵の合致”、でさえ、実は丹田を回せばそうなってしまっている。
身体を正しく操作するために様々な要領があるが、(例えば、膝はつま先より前にでない、とか、外三合:肩と股関節の合、肘と膝の合、手と足の合、松腰、松クワ・・・)、最終的には全て丹田一本に集約されてしまう。丹田さえちゃんと整えて動かせられれば、身体(フィジカル体)の動きは内側から調整されてしまう。フィジカル体をフィジカル体の意識だけで調整するのは同レベルの生徒同士で問題解決するようなものでグルグル回って永遠に解決できない。そこにワンランク上の人物が現れればより高い意識、視野から一言で問題が解決され得る。この身体のどこに分かるか分からないような、感覚のみ頼りの丹田の存在は、それがエーテル体に属している(と私は思っている)がために一つ上の次元(内側、よりコアに近い場所)から身体を操ることができる。すると一つの命令で何千何万もの身体のパーツがそれに従ってしまうかのような作用があるように感じてしまう。だから古来から太極拳の師たちは「坐っても立っても歩いても横になっても、常に丹田から離れない」と言い続けてきたのだろう。
太極拳の練習を身体のパーツを動かす意識で練習していてはいつまでも丹田を感じることはできない。エーテル体は感覚の中にあるから、感覚を十分に捉える意識で練習できるかどうか、そこが丹田で動く太極拳になるか、身体の体操、もしくはスポーツ競技としての太極拳になるかを分けることになると思う。
上はお馴染みの太極拳の技であり動きであり核心であり円たる所以。
推手の時はこれを使って攻防をするが、そんな高度な技以前に、これは丹田の動きであり、即ち、腕の動きであり、脚の動き。丹田の中ですでにポン、リュー、ジー、アンが行われている。
重心移動も然り。この丹田の回転がなければ脚は全く動かない。
細かい説明は省きますが、脚が動くというこごは股関節が動くということ。股関節は骨盤の中にある。下丹田の中心、関元ツボは脚を操ると言われるのは下丹田が脚をまとめているから。
丹田の下弧線が脚の動きになる。
付け足し。
女性が年取って股関節が開いてガタガタ歩きになるのは下丹田の合の力がなくなるため。
男性は骨盤が開いていないので、おじいちゃんになってもそんな歩き方にはならない。女性で靴の外側が減りがちな人は気を付けなければいけない。下丹田の合は、裆の力を使う練習でクリアできそう。昨日やった股関節を正しい位置に入れる要領がすなわち裆力を使う要領。
裆力が使えていないと師父に何度も注意されてきましたが、やっと裆力が何なのか分かってきた!(続く・・・)
2019/1/21<話題⑤~⑨>
思い出せるうちに列挙。
⑤股関節と踵のシンクロ
これは発生学的な事実。身体のスペシャリストの生徒さんから聞いて目から鱗。
カエルもバッタも猫もそうだった・・・
<LINEの投稿>
股関節と踵がシンクロする意識を持って動けば膝や股関節は壊れない!太極拳の中腰姿勢で膝や股関節(や腰)を痛める人が多い根本的な理由は私達が二足歩行になると膝の意識で動いてしまうことでは?
しゃがむ動作=膝を曲げる、股関節を緩める=膝を曲げる、という感覚を改める必要あり。レッスンで試してみますね。
が、昨夜Sさんが言ったように、丹田入れてぐるぐるしてればそうなってるしまう。最終的には丹田一本で行きます。様々な要領は(丹田がちゃんと使えているかどうかの)確認事項として使えば良いと思います。
腕パイプも丹田....
⑥腕パイプの話
これは②と関係する要点。両腕で一本の腕にする。右腕と左腕が二本の腕としてばらばらに動くことは太極拳ではあり得ない。大戸屋で隣に坐った男性が左腕をぶらりとテーブルの下に垂らしながら右手だけでごはんを食べていて唖然としたことがあったけれど、たとえ左手がテーブルの下にあったとしても左腕と右腕は鎖骨の中心(喉の下)か胸の奥で繋がっていなければ背骨が真っ直ぐ立たない。
どこまでが右腕でどこまでが左腕なのか?
うまくやれば右足裏まで右腕になるかもしれない・・・どこまでが脚なのかと同様、そんなものは自己の感覚、自己申告制。尾骨まで首だったり、首まで脚だったりなってしまう(笑)
⑦今になって思い出しましたが、松腰と丹田とどちらが先なのか、という大きな話題がありました。見事間違えた・・・年末の話。
そこからいろんな課題が出てきた・・・(略)
⑧昨日の練習は前脚(中国語。意味は足裏の前の方。湧泉のある一帯)と踵の関係を細かく見ました。
前脚は手のひら、丹田と結びつく。(陰)
踵は腰、背中側、腕の外側、甲側に結び付く。(陽)
歳をとって使えなくなるのは腹や腕の内側や掌側。こちらは”気”が必要。
手の甲側や背中は筋肉メイン。加齢とともに陽側の力一辺倒になって弾力性のない硬い身体になる。
第十六式肘底捶で腕の内側の方に気を通す練習をして感覚を確認。
⑨そして気づくのが虚歩の大事さ。
なぜ虚歩にするのか。これがないと中丹田の力がとても使いづらい。
虚歩で本来の動物の運動形態に戻ることができる。踵をつかないのが基本姿勢。すると身体の中心は臍、ウエストレベルになる。中丹田はスタマック、胃の位置、と思った方が良いかもしれない。臍下丹田だけで練習すると膝や股関節を壊しやすくなるのもこれと関連している。
以上、レッスン受けた生徒さんは確認してください。(受けていない人は箇条書きでは理解できないかもしれません。どうしても知りたい話題があったら催促してください。書ける話題もありますが書けないものはビデオレッスンで教えることも可能です。)
2019/1/21 <最近の話題④>
昨日の④から続きを書かなくては・・・
と、午前中、カナダの生徒さんとラインでレッスンをしていたら重心移動をわざと止めることで丹田の力が鮮明に感じられるということに気づいた。教えていたのは第13式の背折靠。左足から右足への重心移動をほとんど無くして、胴体の回転を止め臍が前を向いたまま左から右に腕を引っ張り上げていくと、腹の中の気が膨らんで腹で腕を引っ張っている感覚が得られる。本来はこの丹田=腹=胴体の力を重心移動によって更に増大させなければならない(胴体+下半身の力になる)のに、多くの場合、重心移動、脚を使うことによって胴体力(丹田力)を減少させてしまっている。
それも膝や股関節を壊す原因となっている。
そういえば、和室などで坐禅や正座のまま24式をお遊び的にやってみた時、生徒さん達が、その方が立ってやるより丹田の動きがはっきり分かると言っていた。脚をブロックすることによって丹田の力が浮き出てくる(というか、脚が使えないから腹でやるしかない)。
以前、陳中華という先生の不動中推手という動画を見て、動かないことで力が出る、というのはどういうことなんだろう?とぼんやり考えて劉師父に動画を見てもらったことがありました。今見ると、それは丹田の力を最大限に使うための言い方だったのだと分かります。ただ、足裏にゆったり気を降ろすことをしないので(実践系の先生の特色)、教えながら息切れがすごい。馮志強老師や陳項老師にはあり得ない。そこが武術として練習するか、無為自然に帰っていくことを目標とするかの違いなのかもしれません。
(結局、十分脚を使いながら丹田の気を逃がさないために③の要領が必要になるのだろう。)
ご参考まで。
この話題を④とするならまた⑤から続けなければ。
2019/1/20<最近の話題 ➀②③>
練習メモが全く追いつかない。項目だけでも洗い出して置かなくては・・・。
➀お問い合わせで、話の続きを知りたいと催促のあった、松と息の関係。
ポイントは鼻の奥、軟口蓋の開き。ここが閉じていると力が抜けない。
日本語をしゃべっているとどうしてもふさがりがち。というのは日本語は下あごと動かすことによって発音をする特殊な言語。中国語や英語を話すときはそこを開けておかないと発音ができない。オペラ歌手はそのあたりの問題点を知っていて、私が以前歌手グループのレッスンをしていた時彼女らはいかに上顎で発声するかを研究していた。要は息を腹まで貫通させる要領。喉の奥の便を開けっぱなしにしておく。これができないと、今日練習していた、肩の関節の球を感じることもできない。
(解説はレッスン形式で行うか、文章なら図を描いて説明する必要あり。)
②肩の球を出す。両腕を引っ張ると分かりやすい。
肩の球が分からないと腕の松ができない。
上腕や前腕の骨(棒)を動かしていては太極拳にならない。動かすのは関節=球。関節の球を意識できるようになるのにタントウ功は必須なのかもしれない。というのは、結局丹田(の膨らみ)なしには関節を意識する、即ち、二つの骨のつなぎ目を広げることができないから。
今日の練習では更にすすんで、肩の球を出すには、股関節の球を出す=股関節の緩み、が必要ということまでやろうとしたが、分かった生徒さんは半分くらいか?結局これば四正勁や四隅勁になる。
師父が言っていたが、私達は身体の末端(手足)を意識しやすいが、身体の中心に向かうほど意識しづらい(意識的に使うことができない)。手よりも肘、肘よりも肩、肩よりも胸の奥、それよりも腹のなか、内臓、と内側に行けば行くほど意識するのが困難。究極は、その意識しようとしている”私”・・・(ここまで練習をやり込んだ台湾の師の話を聞いたことがあるが、今もまだそのような師がどこかにいるのだろうか?太極拳は結局そこに行きつくものだというのが私の感覚。身体を鍛えているうちはまだ表面的。)
③体重移動の恐怖
体重移動、何気なくやっているけれども、ちゃんと見たらびっくり!そんな体重移動をしていたら確実に膝や股関節を壊すだろう。
太極拳を大真面目にやって身体を壊してしまったという話はとても多い。膝を傷めてサポーターをしてまで大会に出る人達もいるという。今日本で普及している太極拳はかなり歪なスポーツになってしまった。
右足から左足に重心移動をする時、左足は踵から着地するにしても、どの時点で左足の足裏が指先まで全て地面に着地するのか?
生徒さんに質問したら、はたと動きが止まってしまった。
まさか踵をついてすぐに足先まで着地はしてない、よね?、と私が睨んだから(笑)
もし体重移動が終わっていないのに、左足を全部着地していたら太腿や膝が体重移動を阻んだままむりやり移動することになるだろう。それを回避するのが丹田。もし最初から足裏がすべて地面に付いていたとしても体重は踵からつま先まで徐々に移動していなければならない。
足裏と地面の間に薄紙一枚分の隙間をあける、とか言われるのもそうするため。
足裏べったりで左右に体重移動していたら身体は痛んでしまう。
(これは動画で説明した方が分かりやすいポイント。普段の歩行も同じ。日本人が総じて歩き方がおかしいのはここに問題がある。)
④ ・・・続く
2019/1/15
今年に入ってずっとHPの更新を怠ったまま。太極拳の練習はいつも通り進んでいるのだが、家に戻ると太極拳以外の興味あるサブジェクトに浸ってしまいわざわざメモを書く気がしない。
太極拳は教えるたびに新しい発見、気づきがある。いや、朝起きて犬を連れて散歩した時に既に身体の新しい感覚をチェックしてしまう。ああ、ここがこーなってるんだ~、なんて思いながらしばらく歩いて寝ている間に上がってしまった気を下げていく。肩や胸を意識的に下げながら丹田をしっかり作ると抜背ができて足が阿修羅像のようになる。夜しっかり寝た時は目が覚めた時、腰がとても充実しているのが分かる。冬になると腰から足まで気が溜まるから、なるほど、気は夏よりも冬の方が溜まりやすいのだと実感する。腰に気が溜まっていると、膨らんだ腰でベッドを押して勢いよく跳ねてベッドから起き上がれる。そんな時、頭の中には、寝技で羽交い絞めにされたプロレスラーが、ワン、ツー、そしてスリー、になる前に覆いかぶさっている敵を腹で払い飛ばす、そんな光景が浮かんで、私はプロレスラーか?と笑いがこみあげてしまう。が、寝不足の時などは全く腰に気が溜まっていないから、ベッドから起き上がるのも垂直腹筋系ではなく横向きにゴロんと転がっている。大人になると、目が覚めて、がばっと起き上がる人は減るだろう。せいぜい寝過ごして、やばい、がばっ!、そんな感じ? がばっと起きるにも丹田が必要。
年始から今日までの練習を振り返って思い出せる要点だけ列挙してみよう。
<無極タントウ功>
年末最後に無極タントウ功を習いたいという男性の個人レッスンをした。
本当の無極タントウ功は武術のタントウ功とは違い馬歩ではやらない。構えたとたん”構え”を作ってしまうから”無極”ではなくなる。
無極タントウ功を学ぶなら、馮志強老師の師、気功法の父と呼ばれる胡耀贞先生の方法に随うのが良いだろう、と改めて胡耀贞先生のテキストを紐解いた。その中の築基功の中の意守丹田法が馮志強老師のテキストの中で無極タントウ功として紹介されているものだが、胡耀贞先生の説明の方が丁寧で親切(?)だ。
そしてその箇所を読んでみたら、なんと、中丹田は臍の奥、臍下一寸三分は丹田ではない、という記述がある。意念は臍奥、臍下には持って行かない、ということ。あら?では気海ツボや関元ツボは見ない?日本の武道で使う臍下丹田を内視すべきではない?
少し驚いて、自分で臍奥を内視するタントウ功を試してみると、臍より下のツボを内視する時とは全く違う結果になることが判明。これで、なぜ陳項老師が北京で私にあのタントウ功を教えたのかも腑に落ちたし、なぜある陳式の権威の先生が私に何度もタントウ功は居つくからすべきではない、と言ったのかも納得できた。武術、武道でタントウ功をすると身体を固めてしまうのは所謂臍下丹田を固めてしまうからだろう。そうすると腰が硬くなり背骨が定規の入ったように真っ直ぐに硬直してしまう姿勢にもなりかねない。臍下のツボを内視しても太ももに力が入らないように裆(股)を広げる要領はなかなか初心者には分からないかもしれない。
・・・・が、臍奥を内視することから始める正攻法のタントウ功については書き出すと長くなるのでここでは割愛。(説明するならレッスンで、もしくは動画で細かく説明する必要あり。胡耀贞先生のテキストの抜粋は仲間のページに貼り付けます。)