<参考>
マイケルは内胯使いがとてもうまい→股関節の使い方が抜群。
軸がぶれず、軽快、そしてキレ、足裏がいつもしっかり床をとらえている。足首の動きだけ見ていても美しい。関節を総動員した動き。
股関節を緩めても伸びが保たれていることに注意。
(マイケル見てから他のダンサーを見ると股間のキレがイマイチな印象。マイケルは周天がちゃんとできているから股関節がキレキレなんだと思う。)
2023/3/25 <もっと後ろでもっと前 立ち方歩き方から>
3/18のメモで紹介したレッスン動画(https://youtu.be/fOcm1QByvlk)は太極拳の立ち位置を示そうとする試みの初めの一歩の部分だった。
実際のグループレッスンでは、メンバーの理解具合を見ながら、手を替え品を替え教えて最後に目指すとこいろに連れていこうとするのだが、動画やブログでは相手との対話がなくただ一方的に論理が一貫するように組み立てる必要がある。今回の”立ち位置”という話は、実質的には< 站桩功(タントウ功)>の立ち方を教えるようなものなので、きちんと論じようとすると書籍一冊分になってしまいそうだ・・・
私自身、やっと”立ち方”の全体像を論理的に掴みつつある。立ち方(直立)が分かれば タントウ功ももっと理論的に説明できるだろう。
立ち方、タントウ功に関しては、一般的に私達は皆、<もっと後ろ>を目指す必要がある。
もっと後ろに乗れるからもっと前まで使えるようになる。
そうやって<全部>が使えるようになる
ん? どういうこと? と思うかもしれないが、ひっくり返して言えば、
幼児や達人でない限り、私達は体の前後の幅の一部分しか使えていない、ということだ。
多くの場合は腹が凹んで(腹が出ていたとしても腹圧が減っている)背中が硬直している。肩こり、腰痛、膝の痛みなどはその現れだ。
<もっと後ろに乗れる>ということは
<後ろに乗れるだけの腹圧(丹田)がある>ということだ。
<追記>
検索中に見た動画。卓球のドライブ打ちの応酬を見ているとカンフー映画を見ているようでした。ずっと含胸して腹の気を保っていないとこんな応酬はできない。上に挙げたような骨盤が後傾した形では速く動けないし球を飛ばせない・・・卓球は無理だ、と思ったのでした。https://youtu.be/KomHagCAfyU
これは腰の王子の三種の神器の一つ、『おはようおやすみ体操』
この体操は、その前の『大腿骨はだいたいこのへん体操』と『コマネチすりすり体操』を踏まえた上で行う、最も難易度の高い体操だ。
骨盤の回転に胸郭や頭蓋骨、そして足首の回転を連動させる。それらの回転によって体は前に出たり後ろに引っ込んだりするのだが、これはまさしく、上の図の中の丹田(腹側)の軸を作る練習だ。太極拳の内功なら丹田の立回転に相当するエクササイズだ。
丹田の立回転は身体の前後の軸を作る。
これが人間の動きの最も基本的な動きになる。
姿勢が崩れるのもまずはこの前後。左右に歪む前に必ず前後の軸が崩れている。
上の王子の動きで気づくだろうか?
体が前に起き上がっていく時(おはよう、の時)腹側が前に出ていく、というのは問題ないだろう。
では、体が後ろに降りていく時は?(おやすみ、の時は?)と言えば、王子は最後の最後まで腹側にいる。背骨より後ろに落ちてしまうことはない。
王子の弟子のような人たちが動画をアップしているので見てみた。
「おやすみ」の最後の頭の位置、顔の表情に注目!
2023/3/18 <腹なのか、背中なのか? これが大問題>
週一で定期的に続けているオンライングループレッスン。4人の大体同世代の生徒さん達を教えている。各自が学んでいる太極拳の流派は様々だけど、体の基本的な使い方は同じ。外側の動きがなぜそうなるのか、内側から教えていくのが私の役目だ。
先々週の回は「もっと後ろに立つ」ということを教えようといろいろ画策していた。
背骨を通す、というか、全身の連動(関節の連動=節節貫通)を可能にするには、とにかく、思っているよりもずと”後ろ”に立てるようにならなければならない。それは私が最近ひしひしと感じていることで、私自身の課題だ。目を引くのも顎を引くのも,含胸や塌腰、股関節を緩めるのも、軸をもっと後ろにするための要領だった・・・そう気づくまでにこんなに時間がかかってしまった。
結局、姿勢が崩れてくるのは軸が前に寄ってしまうからだ。幼児の頃のまっすぐ立ち上がった姿勢、あの全身のバランスをとった姿勢が「周身一家」に必要だ。太極拳に欠かせない姿勢になる。
赤ちゃんが立ち上がって二足歩行になるには大きなお腹に蓄えられた”気”(空間)が必要だった・・・丹田の気(腹圧)は、バランスをとってまっすぐ立つのに不可欠になる。
受講している生徒さんからレッスンの録画リクエストがあったのでそうして見てみたら、私にも新たな発見がある。レッスンは一人一人の出来具合をみながら進むので、講義のように一直線には進まないが、紆余曲折を経てあるところまで連れて行っている感がある。
「もっと後ろに立つ」という意味について文章で論理的に書くこともできるだろうけれど、レッスンでやっているようにいろいろな面からアプローチするしていくのが回り道のように見えて頭と体に浸透させる早道かと思うのです・・・
↓レッスンの一部抜粋 ①「もっと後ろで前に立つ」の前提お話
2023/3/14 <肩がなくなり鎖骨もなくなる・・・? 沈肩と含胸>
ブログを書く時間がなくてしばらくとんでしまった。
書くのが追いつかないので詳しい説明は割愛して要点だけ。
前回、空手と太極拳の師、二人の画像を比較したが、そこで分かるのは、太極拳の「沈肩」は空手の肩のラインよりもさらに撫で肩だ、ということ。肩はなくなっていく。
2023/3/8 <太極拳と空手の肩の違いから学ぶ>
続き
では太極拳と空手における沈肩と含胸は同じか否か、違うとしたらどこが違うのか?
まず、沈肩を「肩を下ろす」「肩を上げない」ということであれば、太極拳や空手に限らずそれは当然のこと。「肩が上がる」ということ自体が不自然で異常だからだ。
「肩が上がっていない」という状態が普通だと捉えれば、「沈肩」というのはそれ以上に下がっている(沈んでいる)状態だ。
空手界と太極拳界のレジェンドの二人の画像を比べてみました。
↓国際松濤館 金澤弘和宗家 と 馮志強老師
2023/3/5 <背骨を後ろに推す 空手・外家拳との違い>
「含胸が足りない!」とこれまでどれだけ師父に言われたことか。
最初はことあるごとに、「肩を下げろ!」と注意された。たとえ練習中はある程度沈肩ができていたとしても、練習が終わって油断すると忘れている。そんな時に不意打ちのように注意される。カフェで友達と喋っていると、沈肩が外れているのに気づく。そんな時期が随分長く続いた。
沈肩がある程度癖づくようになったら、今度は「含胸」。これを定着させるのはなかなか難しい。
今から10年ほど前だったと思うが、当時、私は師父に質問したのを覚えている。
「あなたは常に沈肩と含胸をしているのですか?」と。
これに対し師父は、「沈肩は問題ない。含胸は時々できていない。まだ努力がいる。」と答えた。
師父が興奮して喋っている姿などを思い出すと、その時は「含胸」にはなっていない、と納得したりした。
現在の師父は当時よりも「含胸」が常態化している。毎日1時間半以上のタントウ功を欠かさない師父でさえも、太極拳の要領を身体に落とし込んで平時からその状態にいられるようにするにはそれだけの年月が必要なんだと知る。
<ここからが本題・・・>
気を溜めるには「沈肩」が第一歩。これができないと丹田に気は溜められない。
丹田に気が落ちない、降ろせない、ということは、前回のブログで書いた「背骨を後ろに押す」ということができない、ということだ。
<<ここで前回のブログの補足>>
背骨を後ろに押せないと、前に張り出す力が出てこない。
太極拳で、前に打つ、とか、推す、というのは、基本的に相撲の突っ張りと同じような体の使い方だ。
太極拳と空手では力の出し方が違う。
外形的には、背中が弓になっているのが太極拳。空手は背中がまっすぐだ。
力の使い方としては
前者は(丹田を広げて)内気で推している(打つ時も同じ)。
後者は丹田を固めて筋力で打っている。
空手のような力の出し方は少林拳や長拳のような外家拳的な体の使い方だ。これは”締めて”力を出す。まだ先天的な気の量の多い(体の空間の多い)若者的な体の使い方だ。もともと体の中にスペースがあるから”締めて”(息を止めてグッと踏ん張るような感じで)力を出せる。が、年齢が上がると体のスペースが減るので、このような体の使い方をしていると次第に故障が多くなる。外家拳の老師でもある程度の年齢になると内家拳的な体の使い方に転向するのはそのためだ。
太極拳のような内家拳的な力の使い方は内気で力を出す。だから、内気を育てるのが第一条件になる。つまり、丹田の形成だ。
丹田を拡げる=開、丹田を収縮する=合
この『開合』を繰り返すことにより、丹田で内気を煉っていく。
これが太極拳の核心だ。打つ時は<開>だが、そのためには、その前にしっかり<合>ができていなければならない。この膨らみ縮み=開合が分かるか否かが太極拳に入門できるか否かを決定する。
(但し、現在普及している太極拳の多くは上の空手的な体の使い方をしています。特に大会で競技としてやられているものは、「太極拳」と銘打っていても、実態は外家拳だ。アクロバティック的なものは間違いなく太極拳とは別物。実際、内気を使って動くと、観客が感動するようなアクロバティックな動きは出てこない。もっと自然な地味な動きになる。内気を育てて使う練習をしているうちに、その地味な動きの中に凄さを見ることができるようになってくるから不思議・・・目が肥えてきます!)
<ここで話を戻していきます・・・>
最初に書いていた、「沈肩、そして「含胸」の話。
では、太極拳と空手において、「沈肩」と「含胸」に差異はあるだろうか?
続く