2023年7月

2023/7/31 <肉体を超えた境地>

 

  太極拳のレベルが上がるにつれ余計な動きは減っていく。

  肉体の段階を超えて内なる世界に入っていく。

  

  肉体のレベルを超えたもの、俗っぽく言うとスピリチュアル的なものの入り口は肉体にある。ごく稀に肉体にひっかかることなくそれを超えた境地に至る人もいるが、それはそのレベルで生まれてきた人だと思う。多くの”修行者”は、心身の修行を通じて肉体を超えた境地をめざす。

 

  馮志強老師が日本語版テキストの冒頭で、「私自身は太極拳を修めたが、太極の門はまだくぐったばかりだ。」というようなことを書いていた。馮老師は道家の道を進んだ老師。太極拳は主に肉体の訓練をしながら内側の精気神を養い、その先の虚、そして霊をめざす(虚霊は百会を開けた先、頭頂より上にある。sadhguru

によれば、チャクラは114個あるが、そのうち2個は体外にあるという。おそらくそれが道家でいうところの虚・霊だと思う。ちなみに、精(下丹田)は第1、2チャクラ、気(中丹田)は第3チャクラ、神(上丹田)は第6チャクラ、それぞれのエネルギーだ。参考までにsadhguruのチャクラの話についてはhttps://isha.sadhguru.org/us/en/wisdom/article/7-chakras-mystical-dimensions-body-seven-chakras 参照)

 

  肉体の開発は下から上に向かう。

  下の準備ができていないのに上の練習をするのは危険だ。

  (例えば、第1、第2チャクラが弱いのに、胸の第4チャクラの練習ばかりすると心臓に負担をかける、あるいは、感情のコントロールが弱くなる。あるいは、体が弱いのに、第6チャクラの意念の練習を繰り返すと、精神病になる危険性がある。)

  ということで、太極拳の練習も精気の練習を欠かさない。体の土台だ。

 

 この数年、私自身は体の歪みの調整に最大の関心があり、それを整える方法を太極拳だけでなく他のメソッドでも探してきた。

 その旅は迷路のようでどこからどう入ってどう進んでいけばよいのか手探り状態だったが、やっとその道がはっきりしてきた。まだ調整段階だが、それが調整されれば、次の境地に入れるということも朧げながら分かってきた。本来、肉体の修行とは筋力をつけることでもなければ開脚ができたり脚を高く上げることではなく、体の歪みをなくし滞りのないすっきりとした体になること、体がざわつかず、体が落ち着くこと。体が落ち着くことで、肉体に拘泥することなく、安心して心やその先の意識の修行にすすめるだろう・・・(まだまだ肉体にどっぷりの私・・・今生で肉体から解放される境地にどれだけ近づけるのだろう?)

 

 そんな中で、先週、たまたま見た動画に釘付けになった。

 すごい・・・いや、すごいを超えて、私自身に”あの”境地を思い出させてくれた。

 太極拳的に言えば、内視の世界だ。内視は瞑想法でいうところの『観』。仏教の止観法は有名だが、ただ心の動きを止める、のではなく、そこから『身体が感じるすべての感覚機能が起きていることを一つ一つ対象化して気づいていく。』(ウィキペディアよりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A2%E8%A6%B3)。

 太極拳において内視は必須だ。

 内視のない太極拳は中身のない体の運動に過ぎない。

 

 これは芸術においてさらに重要性を帯びる。

 私たちが「なんだか奥が深い」と感じたり、それによって自分の内側に入らせてくれるようなもの。ただびっくりしたり、楽しかったり、するようなものとは全く違う芸術がある。特に音楽は最も聖なる芸術として生まれたという話がある・・・

 

 とりあえず、動画を一つ紹介しておきます。

 異次元・・・

 

 

2023/7/30 <モーターコントロールエクササイズ、首の活用>

 

  今日の土曜横浜クラスの振り返り。

 

  ①とりあげてみたかったのは「モーターコントロールエクササイズ」。

  これはNHKの『あしたが変わるトリセツショー』で最近取り上げられた『腰痛のトリセツ』としてとりあげられたエクササイズ。

  この番組を見た生徒さんから、「股関節を動かす時に骨盤を動かさない、というのがトリセツで言われていたが、これは先生(私)のレッスンと矛盾しないか?」という質問があったのが事の始まり。私はその番組を見ていなかったので、質問を受けてからNHKプラスで見たのでした。

 

  (もうNHKプラスでも見られないと思うので)番組の概要はこちらで確認→https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/blog/bl/pnR8azdZNB/bp/p0krrm5ln1/

 

 

   番組概要の中にある上の図が結論を示している。

  要は、胸、腰、股関節、言い換えれば、胸郭と骨盤とその間、あるいは、中医学なら、上焦・中焦・下焦、この3つのパーツが総動員されていれば腰痛は起こらない。どこか一つがサボったり、余計に動いたり、するとバランスが崩れて腰に荷重な負担がかかってしまう。

 

  で、どうするか? 

  とでてくるのが、モーター(動き)をコントロールするエクササイズ。

  動きを制御するエクササイズだ。

  そして、それが太極拳の動きに大いに関わっている。

  他のスポーツよりも制御が強い。余計なエネルギー(気)を使わない、エネルギーの消費を極力抑えた動きになっている。

 

  ただ、そこには落とし穴がある。

 

   と、今週はオンラインでこの動きを紹介してやってもらったが、今日、実際に生徒さん達に目の前でやってもらって、それから、私が骨盤を固定したり補助をすることで、生徒さん達は上のような効果を感じるようでした。実際には一人で行うよりも誰かに導いてもらったり補助してもらったほうが良さそう・・・

 

   ともあれ、このエクササイズから、太極拳で体を”動かさない”ということの深い意味がはっきりしてきました。<動かない>のと、<動かさない>のでは全く意味が違う・・・師父は、まず、<動ける>ように練習をさせて、徐々にコントロールを効かせて<動かさない>ことを教えてくれたが、日本で行われている太極拳の練習は、最初から<動かない>ことを教えて、<動かす>ことを教えないため(例えば、骨盤や胸郭)、結局、全身の連動が起こらないまま動き続けてしまう。膝や腰、股関節を痛めるのはそのためだろう・・・

   この点については、改めていつか書くべき。

 

 ②今日のレッスンで新たに教えたのは、首。

  私たちの首はあまりにも硬い。首を回しているようで、回っていない人がほとんど。

  首は腕に繋がる。首は頭蓋骨と胸郭を連動させる。首を腕につなげるには、肩井穴から脇を通り抜けさせる必要あり。胆経を使う。

  首の後ろ側だけで首を立てると首は凝る。

  首の横から肩にかけての、アンメルツヨコヨコ、のラインをうまく使う。

  耳からつなぐ。

  すると上丹田から腕になる。

  これを教えてから、推手をさせると、推す力が倍増する。丹田の気も増える。

  上の丹田が活用される。明日もこれを教えて皆に違いを体験してもらおう。

 

   

 

 他にも教えたことがあったはずだけど、書いていたら忘れたのでここまで。

 

 股関節を回転させる、ということは、大腰筋、腸骨筋を連動させる、ということに注意。

 膝の屈伸と股関節の屈伸の違いがはっきりすれば大丈夫。

 

 

 

2023/7/24 <立腰VS寝腰・反り腰、と、丹田、大腰筋>

 

 結局、真の意味での骨盤の前傾後傾は骨盤が立った状態で行うということだった。

 太極拳においては骨盤後傾の姿勢が主だが、それは、腰が滑って仙骨に乗っている(つまり、寝腰)という意味の後傾ではない。

 

 腰の王子の使う”立腰”という言葉は、骨盤が立っている、より正確に言えば、仙骨が立っている、という状態を指しているはずだが、この『立腰』に対して、『寝腰』『反り腰』という状態がある。

 一般的にはこの『寝腰』を骨盤後傾、『反り腰』を骨盤前傾と言ったりするが、太極拳を含めたスポーツ、身体開発の世界で、骨盤前傾、後傾、というのは、『立腰』の状態のバリエーションで、行ったり来たりするものだ。

 頚椎から尾骨までを背骨として蛇のようにしなやかに使えるのが、『立腰』

 背骨がどこかで硬直してしまっているのが、『寝腰』、『反り腰』、あるいは、一見真っ直ぐに見えても硬直しているだけの腰もあるだろう・・・

 

  言葉を整理すると下の図のようになる。

 

  結論から言えば、完璧な立腰を作るには、頚椎から尾骨までの脊柱の状態を変えなければならないが、丹田に気を溜めて沈められるようになればだいたい立腰になる。タントウ功はまさに立腰を作る基礎訓練のようなものだ。

 

  今週のオンラインの生徒さんが動功をしていたら偶然”立腰”の状態に入ってしまった。私は彼女の動きをそこで止め、しばらくそのままタントウ功をさせたのだが、彼女は、その時に自分の仙骨、そして背骨が引き伸びた感じに感激していた。その後、もう一度その感覚を掴もうと自分でタントウ功に入っていったが、あの感覚が再現できない。いいところまでできているのだけど、ピタッと入らない。彼女はとても悔しそうだった。まあ、最初はそんなもの。そのうち入れる確率が高くなる・・・と私は彼女を宥めた。

  一度それ(骨盤が立つ感覚)を体験すれば、それまで自分が骨盤を立てていると思っていたものが全く違っていたことが分かるようになる。体験するまでは分からない。ニンニクを食べたことのない人がどれだけニンニクの味を文章から想像してもわかり得ないのと同じだ。体の感覚は体感して初めて分かる。私の仕事は、いかにして生徒さんに感じさせるか、それにかかっている・・・

 

  いろんな人がいろいろな角度から情報を出してくれている。

今年の5/6のメモで載せた画像。

親子でラグビーの練習をしている風景。

 

まず左の息子の動きを見てみる。

しゃがんでボールを取る。

特段おかしなところはなさそうだが・・・


 それから、父親の模範動作を見てみる。

 息子とは違うのが分かるだろう。

 腰が入っている。

 背骨が真っ直ぐだ。

 体に芯がある。

 比較すると息子はへなちょこに見える。

 

 これが、気沈丹田、立腰、大腰筋伸展、ができるか否かの差。

 スポーツではまずここがクリアできないと一流の選手にはなれない。

  その点、腰の王子の「おはようおやすみ運動」は、本当の意味での骨盤の前傾、後傾を練習させている。下の動画も同様のものだ。

 

 坐骨を椅子に押し付けて、骨盤を転がすように動かす、のがコツだ。

 そうすることによって、使いづらい、股の部分(肛門から恥骨、骨盤底筋の部分)を使うことができる。



<参考>

腰の王子のおはようおやすみ体操

https://youtu.be/jYRttNSql-

 比べると、上の腰の王子の可動域は比べ物にならないくらい大きいのが分かる。

 

 それは、おはようお休み体操では、胸郭、頭部の動きも連動させているから。

 骨盤だけの可動域だと右の人のような感じだ。練習では全身の連動も入れていくと良い・・

 

   丹田回しで周天、骨盤の前傾、後傾、全身の繋がりを練習していきます・・・

2023/7/17 <うつぶせカエルから学ぶこと>

 

  骨盤を立てる、というのは人間が立ち上がって2本の足で立ち上がるのに必要なことだが、一度立ち上がってしまうと、時間とともにその状態は崩れがちだ。特に日本人はかなり早い段階で、腰の王子が呼ぶところの”寝腰”(骨盤後傾)になる。

  日本人が骨格的に生まれながらにして骨盤後傾なわけではない。立ち上がったばかりの幼児はちゃんと骨盤が立っている。

  実際、私たちは立ち上がる前に腹這いでいろんなエクササイズをして、立ち上がるための準備をしているのだ。

2023/7/15

 

 「レッスンの後、毎日どのような練習をすれば良いですか?」と最近横浜クラスに来るようになった生徒さんから尋ねられた。

  レッスンで私がいろいろなことを教えるため、その後次のレッスンまで自宅でどんな練習をすればよいのか分からなくなっている様子。

  これは私に責任がある・・・・

 

  もし時間がとれるなら、私が師父から言われてやってきたように、

  1.タントウ功(収腹功を含む)

      2. 動功(丹田回し)三種類、

   圧腿

   拍手功や踵撃ち、股関節回しなど

  3.套路 24式など

 

  を毎日ルーティーンでやるとよいだろう。

 

  今でも師父はこのルーティーンを欠かさない。

  初心者がやることを師父もやる。

  が、中身は全く違う。次元が違うのだ。

 

  もし今日の丹田回しが1ヶ月前のものと同じだったら、進歩はしていない。

  同じ丹田回しでも、毎日新たな感覚、新たな発見があって然るべきだ。

  だから毎日やっても飽きない。やればやるほど、深くなる。

 

  帯脈回しもただ腰を回しているだけのように見える。が、師父のレベルの老師たちは、帯脈回しをしながら十二経絡を通している。

  丹田回しで筋を伸ばし、経を通していく。そのためには、その前に丹田に気を溜めておく必要がある。これが最初のタントウ功の役割だ。

 

  丹田回しがある程度できるようになれば、套路はそれほど難しくない。体重移動で悩んだりしない。

 

 

  が、が、が

  問題がある。

 

  タントウ功や動功はそれだけを練習しても新たな境地になかなか結びつかないということ。端的に言えば進歩を感じられない、ということだ。

 

 特にタントウ功に関しては、立ち方、息や意識の使い方を教えたとしても、それを自分一人でやった時に効果が感じられずほどなくやめてしまう、という人が多い。もしくは、ずと立っていたとしても、気持ちが落ち着く程度で、いつまでたっても丹田に気を溜められない人もいる。

  そうなると、「どうすればタントウ功ができますか?」と尋ねてくるようになる。

  一番単純な功法が、実は最も難しい功法になってしまい、タントウ功のために、動功や推手、套路の技を教た方がよいということになる。動功も同じ。なぜ師父が三種類の動功を抽出してルーティーン化させたのかが分かるようになるには、套路をかなりやりこむ必要がある。丹田の球を回すことが動きとして現れてくることが分かるのは中級者レベルだ。初心者のうちは意味がよくわからないまま、腹や腰を回すことになる。

   「意味がわからなくても言われた通りやれ!」というやり方もあるのは事実だが、私自身はあまり好きではないので、どうしても生徒さんに余計な説明までしてしまう。

師父なら”圧”があるから、生徒さんはそんな簡単に質問はできない。やれ、と言われたらやらざるを得ないのだけども・・・。

  師父が説明できないことを言葉や体で説明するのが私の役目かもしれません。

 

  冒頭の質問に戻ると、その質問をしてきたのは、オンラインでしばらく気功を教えてきた生徒さんで、内側の気の流れは見えるレベルに達している。ただ太極拳はしたことがないので、今回横浜クラスに入ってきて、情報量の多さに困惑しているのだろう。

  彼にアドバイスするなら、私が今日のクラスでとりあげた何点か、

  ①臂、脇を入れる、→胆経の流れ

  ②踵(といっても、踵のどこが大事だったか思い出すこと!)からハムストリングス、膀胱経の流れ (首、頭の位置に注意!)(最初は腰から仙骨、ハムストリングス、膝裏、ふくらはぎ、を順になぞって丸くなりながら、踵を掴む。上から下へ。それから下から上への流れを見る) 

  ③帯脈、骨盤の縁の骨肉分離→、胸郭(上焦)、鳩尾から骨盤上縁(中焦)、骨盤(下焦)を別々に連携→抖劲(震わせて出す力)(※下の参考動画を参照)

  ④レッスン後に足回しで開発させた仙腸関節

 

  これらを、タントウ功やいつもの動功(丹田回し)で再現させてみると良い練習になるだろう。抖劲はタントウ功ではできないような気がするかもしれないがタントウ功で抖劲ができそうな気の状態を作ればよいと思う・・・私自身もやってみるべし。

 

  その他の生徒さんについても、習ったことを細々覚えるよりも、慣れた動きの中で使えるようにして体に落とし込んでいくのが効率のよい練習になると思います。

 

  動功についてHPを見直したら動画がないようなので、そのうち動画を撮らなきゃと思っています。

 

 

抖劲に関する参考動画

抖劲(水に濡れた犬がブルブルするような動き)は丹田を形成しない

抖劲をトライすると丹田が形成されるのが認識可能です

 

←馮老師の保健功の中の抖劲

 

①双膝抖动

②前後抖动

③金鸡抖翎

 この下の動画は陳正雷老師の弟子、刘左龙老师のもの。

掩手肱捶における、3段階の抖劲について説明しています。

2023/7/10 <なぜ前腿に乗ってはいけないのか? 筋は伸ばして使う、そして路線開通には拉筋と息>

 

  「どうしても前腿を使ってしまう・・・」

  と悩むくらいになれば、あとはそれを直すべく努力すればいいだけの話だが、

  そもそも自分が前腿に乗ってしまっていることに気づかない人、あるいは、前腿に乗ってしまうことを何とも思っていない人も案外多い。

 

  現在広まっている太極拳の大多数は前腿に乗った不自然な形で行われている。

  前腿に乗っている、というのは、裏腿=ハムストリングスを使えていない、ということ。ハムストリングスが使えていないということは、蹴る力が乏しいということだ。

  

  馬の後ろ足を後方にキックすることで前方に走る。

  人間も基本的には同じだ。

  馬が後ろ足を前方にキックすることはない・・・

 

  ということで、最近通っている初動負荷トレーニングとも関連する動画を紹介します。

  結論から言うと、下半身の筋肉でできるだけ使わないようにするのは、前腿と脹脛の筋肉。前腿の代わりにハムストリングス、脹脛の代わりに足首を使えるようにすると、全身の連動を導ける。太極拳の『節節貫通』に繋がる体の使い方だ。脚を塊肉にするのではなく、長い筋にしろ、というのが太極拳の教え。

上の動画の最後の方にあるマシンを使ってハムストリングスを起動させるトレーニング。

 

骨盤が前に立ち上がりながら脚を後方にスイングさせる動作

によってハムストリングスが使えるようになることに注意

 

『骨盤が前に立ち上がる』ことによってハムストリングスは起動する。

この『骨盤が前に立ち上がる』というのは、太極拳の言葉で言えば、『丹田が前方に移動することによって』ということだ。

  単に脚を後ろに蹴ってもハムストリングスは起動しない。せいぜい脹脛止まりだ。  

  腹が必要・・・

馮志強老師の斜行の途中の動作。

 

前方にジーをする時の後ろ足は、

丹田が前方に移動することで蹴れるようになっている。

つまり、丹田の力が後ろ足の蹴りになっているということだ。

 

『力は踵から』

というが、その前提として、丹田の力がハムスロリングスの伸びを通じて足裏まで達している(後ろ足が後方に蹴れている)ことが必要だ。丹田の力が地面に達して、その反発力が足裏から体を通って手まで繋がっていくことになる。

 

  参考までに、下は馬が走る時の後ろ足の使い方。(https://gamescience.jp/2005/Paper/Takizawa_2005.pdf)


2023/7/8 <承扶穴 ハムストリングスを起動させる>

 

   膝を曲げた時に前腿に乗ってしまってハムストリングスが使えない人がとても多い・・・

 腿裏はアクセル筋。前腿はブレーキ筋。

 股関節を緩めて前腿に乗ってしまうようでは素早く動けない。

 兎跳びで膝を痛めるのは前腿を使っているから。

 ハムストリングスで跳べばウサギのように跳べる・・・(だから兎跳びというのだけど、次第にお尻が重くなって=骨盤が後傾して、兎跳びのできない子が増え、私が高校に入学する頃その運動は膝に悪いという理由で廃れてしまった。中学の部活では、罰として運動場をウサギ跳びで回る、というのがあったなぁ。)

 

 丹田が充実し骨盤が立てば自然に腿裏(ハムストリングス)が使える。

 けれども、腰やお尻の筋肉、そしてハムストリングスが既に縮こまっていると、なかなか骨盤が立たない。放松と丹田の内気によって内側からそれらの筋肉の緊張を解ければよいが、長い年月を経て縮こまってしまった筋肉を解くにはそれだけでは足りないだろう。

 

クラッシックなストレッチは左の写真のようなものだ。

7/3のメモの中で平腰(フラットバック)に関連して紹介したブログ(http://www.nishiogikubo.org/m/column/025.html)に載っているので参照してもらいたい。

 

このストレッチで要になるツボはお尻と太ももの境目にある『承扶穴』だ。

 

ここが開けば(このツボを意識的に動かせるようになれば)、ハムストリングは使えるようになる。

お尻と太ももの境目をはっきりさせる。

腰の王子のおじぎ体操やコマネチスリスリでも開発が狙われている箇所だ。多くの人はお尻と太ももの境目が曖昧だ。ここが曖昧だと、仙骨(腰根っこ)を内側にいれると、お尻まで前に滑ってしまって骨盤は後傾してしまう。

 

 承扶穴の位置は下の図を参照 (https://anma-massage.jp/bl36/

 右側の図を見れば、それが、ハムストリングスの起点に位置するのがわかる。

2023/7/4

 

  ここ数日のブログの内容を補足する動画をアップしました。

2023/7/3

 

 昨日のブログを見て、読者の方が関連する腰の王子の動画を送ってくれました。

 

 例によって笑いの連続・・・

 王子のセミナーの良さはその笑い、ギャグ、にあるのだけれども、それが裏目に出ると、ギャグばかり印象に残って肝心なところが記憶に残らないこともあったりする。

2023/7/2 <和装での立ち座り、歩き方から学ぶ>

 

  私の生徒さんの中に日本舞踊を学んでいる人がいることを知って、今日の新宿のレッスンに向かう電車の中で和装での立ち居振る舞いについて動画をいくつか見ていました。

  面白い!

 

  最初に見たのはこの動画。

  女形? 本当の女性はここまでしなりを作らないかなぁ、と思うけど、こんな風に誇張してやってくれると動き方がよく分かる。


 立ち座り。

 お尻とハムストリングスを使う。

動画適宜アップ中! 

YouTubeチャンネル『スタディタイチ』→こちら

『今日のメモ』毎日の練習は気づきの宝庫。太極拳の練習の成果が何に及ぶかは予測不可能。2012年9月〜のアーカイブは『練習メモアーカイブ』へ

⭐️どのレッスンも単発参加OKです。お問い合わせへ

練習のバイブル本

 『陳式太極拳入門』

   馮志強老師著

お問い合わせはこちらから

 

2012/3/20

日本養生学会第13回大会で研究発表をしました。

発表の抄録、資料はこちら