2023年11月

2023/11/28 <腹の緩みは腰の緩みから生まれる 丹田の素 膝と足首の連動>

 

  今日のグループレッスンの振り返り。

 

 一人の生徒さんから、「先週の四つ足でお腹を緩める練習がいまひとつうまくできない。」との声。

   高岡英夫氏の言うように、チーターのように四つ足になれば、二足で立ち上がる時に硬直してしまう腰や背中が緩み、”体幹部が垂れ下がる”(腹が垂れ下がる)。この垂れ下がった”腹”が、太極拳で言うところの丹田の素。気の集まりだ。

 立位でも、まず腰を緩めるのが、丹田の素を作る要領。

 立位で腰が緩まない人は、四つ足の方が緩むだろう・・・と思ってやってもらった四つ足姿勢。けれども、腹は垂れ下がらず、垂れ下げるには、背中を思いっきり反らせなければならない、と悩んでいた。

 先週のレッスンの最後の結論は、肩甲骨、肩に問題があるということだった。実際、ある程度”立甲”ができないと(肩甲骨が肋骨から離れないと)背骨が緩まないから腹も緩まない→腹が凹んでしまい丹田の素が作れない。 

 

 そこで、今日は、四つ足ではなく、正座で腹を緩める練習をした。

 要領は、「トイレに行きたくてなかなか行けない、やっとトイレがあって便座に座ってほっとした」というシナリオで、その「ほっとした」状態を演技してみる。腹が出て緩むのが分かれば大成功!

 

 あとは、この腹の緩み、撓みを頼りに身体を動かしてみる。

 

 腰の王子の「コマネチスリスリ体操」はまさに、この腹の緩みを使った体操だ。

 いや、コマネチスリスリは股関節の屈曲を”しっかりさせる”=腿裏とお尻をしっかり伸ばす、練習なのだが、この「股関節の屈曲」や「腿裏やお尻の伸び」には<腹の緩み>が必要なのだ。実際、コマネチスリスリで前に乗り出して行く時に、腹の緩みがなくなった瞬間に腰の伸びがなくなり背中が丸くなる(股関節の屈曲が止まる)。王子は、チューの口を使うことで自然に息が抜けるようにして、腹の膨らみが最後までなくならないような仕掛けを作ってくれているが、それに気づく人は少ないだろう。息を抜くというのは息を腹に届け続ける、ということで、私的に言えば、丹田に息を注ぎ続けているということだ。

 腹の緩みはいかなる時もなくさない。これが丹田を守り続ける、ということ。

 それができれば、股関節の屈曲も楽ちんになる。膝に乗ることもなくなる。

 

 腹の緩み、膨らみを先に作っておいて、その膨らみでしゃがむとどんな感じになるのか、膨らみを作らずにしゃがむとどうなるのか、その違いをはっきりと身体で認識してもらった。

 混元太極拳の中では、その鼠蹊部の上にできる腹の膨らみは、「下丹田」。下丹田は下肢を操る。

 股関節で足を操れば失敗する。下丹田で操ればうまくできる。

 問題はその丹田を維持できるか?それだけだ。

 

左は王子の「野生動物運動法』https://youtu.be/733qTLgqZxw?si=-m2CWiR3pZ87Shxa

 

 この動きは、まさに、四つ足で背骨から体幹部を引き離して、垂らして、たわませることで生まれる動きだ。

 

後ろの生徒さん達は皆、背骨を動かそうとしている。背骨を動かそうとしたところでアウトだ。動かすのは背骨の前側の身体の空間=丹田だ。

 

 中丹田は腰、背中、下丹田はお尻から下を動かせる。胸、肩や含胸の領域だ。

 

 これをバラバラに練習させるのが、太極拳の内功の中にある、<抖dou>という練習。

     https://youtu.be/-5X5pBx8nUE?si=gnrrIIP2f1i0DfIy

 

 

 

これは膝の抖

 

 

 

これは胯の抖

 

これは全身の抖

  抖は王子のチーターの動きを高速で微細にしたものだが、その前提として、背骨と体幹部の間に隙間があることが求められる。

 

 練習の仕方としては、馮老師がやっているように、まずは、膝関節から始めるとよさそうだ。

 

 というのは、今日のレッスンで、膝回しをさせたら、予想に反して太ももから回している人がちらほら見受けられたからだ。膝は股関節と足首の中間にあり、両方と連動する。ただ、股関節から膝を連動させようとすると、脛が入らない。正しいのは、足首を回して膝を回すようにすることだ。すると脛が立ち、膝の力が抜ける。

 脛を立てるには足首と膝の連動が必要だが、まずこれを立ててから、しゃがんだり、馬歩になるべきだ。

 

 上の馮老師の内功では、まず足首と膝を連動させて膝をdouさせ、それから、その足首と膝の連動を前提として股関節をdouさせ、それから、足首から股関節までの連動を前提にして胸から腹までのdouをさせている。

 下から積み上げている。

 というのは、連動をかけていくのに足裏の力=地面の反発力がマストだからだ。

 試しにいきなり胸や腹から振るわせようとすると身体がバカバカして背骨が浮き出てこないだろう・・・

 

 あと、膝を回したり振るわせたりする時に意識するとよいツボは、胆経の陽陵泉。

 

 

 左上先頭にマスター(楊澄浦)をお手本として置いた上で、他の老師達を見てみると、皆

足首が締められず、つま先の方向かって力が流れているのが分かる。赤ちゃんのように足指が器用に使えない。

 

 最も、足首や足裏、足指は、その上に乗っている身体全体の現れ。

 足で自分の身体を調整する、と師父は言うが、その域に達するには、まずは身体を足首を含めた足に投影する必要がある。つまり、足裏まで気を落とす必要がある。足が手のように敏感になり、細かな動きが可能になると、その上の身体も足によってコントロールできるようになってくる。 足をただの台、塊のように使わない。足も足首も筋の束だ。筋をコントロールする。

 

<追記>この日のテーマは後に、「足の甲」「足指」を使う、という観点からまとめ直しました(2024年2月)

2023/11/25 <足首の折り込み 扣 >

 

  赤ちゃんの足使いは見飽きない。足の指一本一本が動いて、小さな指の先までが行き届いている。なんとも精緻な作りだと思う。それがだんだん雑にしか動かなくなっていくのが哀しい・・・

  

  赤ちゃんが立った時の足首も注目するに値する。

  私たちが失ったものが分かるからだ。

 これが、師父が何度も教えていた、「足は扣(kou)にする」という意味だ。

 

 扣(kou)というのは、お椀を伏せたような形、を示す。それが冒頭の赤ちゃんの足の形だ。が、その形を作り出すには、足首がしっかり”入っている”必要がある。()(上の画像の赤矢印の力が大事。ただ足指を丸めても扣にはならない)

 

 問題は、私たちの足首が硬すぎるということ。

 

本来、足首は股関節とセットで使われるところなので、足首が固ければ股関節の動きも阻害される。

 

 腰の王子の面白いサイトを見つけてしまった。https://www.karadane.jp/articles/entry/news/006732/

 

 立腰体操の大腿骨は大体このへん体操が解説されている。

 

 が、モデルさんが問題だ。王子はそこは放っているが、私はとても気になる。座った時に、すでに足首が外れている。(足を置く位置が合っていない)

2023/11/20 <帯脈沿いに気を移動させていく練習>

 

 今月になって師父からやってみるように勧められた練習法を生徒さん達にも試してもらった。

 師父は私に、「あなたならできるはず」と勧めたが、さて、生徒さん達に突然やらせて大丈夫だろうか?

 

 師父が教えてくれた練習法は、帯脈に時計のように目盛りをつけて気を移動させていくというもの。

 

 帯脈というと、帯脈穴、という胆経のツボがあるが、師父など太極拳の世界の人たちが帯脈という時は、奇経八脈の帯脈(下の左図)をさらに単純にした、臍と帯脈穴と命門を結んだ、いわゆる、ウエスト(腹囲)を指していることが多い(下の右図)。

 動功で『帯脈回し』というのはまさにこのラインだ。

   

  この週末のレッスンで生徒さん達とゆっくり一緒にやってみたのだが、生徒さん達は思った以上に頑張っていました。完全にできなくとも、しらずしらす、気を集めるということをやっていたようだ。

  どうやって気を溜めるのか、とか、どうやって気を動かすのか、という説明をするよりも、「はい、これから気を集めて、動かしていきますよ〜」、と一斉にやった方がうまくいく。

  実際、これまでも、全く初心者の生徒さんが、”気”や”丹田”のことを知りたくて私のところに練習に来て、最初はいろいろ考えて分からない様子だったのが、気を動かす練習(動功)を皆と一緒にしているうちに、いつしか、”気”や”丹田”について尋ねなくなる、というのが常だった。疑問が解けてしまうのだ。かといって、「気って何ですか?」とか「丹田って何ですか?」と尋ねると、答えることはできない。答えは言えないのだけれども、何となく感覚的に分かっている、そんな状態だ。

  私が思うに、電気が一体何なのかは分からないけれど、電気は使えればよい。分からなくても使えればよい、というのが、修行系の特質。わかろうとするのは学者の世界。知らなくても使えれば自分自身については事足りる。

 

  帯脈沿いに気を動かす(水平円を描く)のは他の2つの円(立円、竪円)より難しい。それはなかなか気が中丹田に充満しないからだ。でも、まずは臍のあたりに集めて、それを移動させようとすると、知らず知らずのうちに中丹田の気が増えてくる。集中力が必要だ。

 

  この練習をしたのち、帯脈を使ったいくつかの動功をしたが、それについてはまた時間があれば書きます。

 

 いかに酸素を取り入れることが大事なのか、を論じています。
 
 肺は酸素を取り入れられないし、二酸化炭素を吐き出さない。
 では、酸素を取り入れる器官はどこか?

 そんな考察から、肋骨の柔軟性、可動域を高める話になります。

 昨日のブログとの関連で言えば、いつも俯いて息を吐いていれば肋骨は固まります。
 正しい位置に立つことで肋骨も動きやすい位置に置かれる

 太極拳の時も、『束肋』と言われたりするのは、意識的にそうでもしなければ肺にいっぱい空気が入って肋骨の前面が上がりそうになるから。
 私は昔、『束肋』は、肋骨を束ねたように固めた状態にすることかと思っていましたが、師父に尋ねたら、「それは肋骨が膨らむから束ねたように感じるのだ」と言われて、よく理解できなかったことがあります。

 

 師父の言った意味が分かるまでに暫く時間がかかりましたが、かいつまんで言えば、丹田に気を落とす時は肋骨も拡がっている。胸に空気を"含んでいる"状態になる。あー、だから『含胸』なんだ、と理解を改めた覚えがあります。『含胸』は決して胸を凹ませることではない... けど、ちょっと凹ませないと空気が入らない、肋骨が拡がらない。そういうこと。


 昨日載せた太極拳の老師達のうち、息を吸っているように見えた2人の老師は胸も緩やかに膨らんでいます。吐いているだけの老師は胸を張り出しているか、胸がぺたんこ、脇に 拡がりがありません。
 
 正しい位置に立つには、頭を思っているよりもかなり後ろに引いて立つ必要がありますが、その位置で立つには肋骨が緩む必要があります。肋骨が弛まなければ後ろに倒れてしまいそうになるので、結局、その位置では立てません。

  肋骨を緩めないと正しい位置に立てず、正しい位置に立たないと肋骨が拡がりにくい(注:この場合の肋骨とは前面の下部肋骨ではなく、前面上部と背面の肋骨です)。
  息は背中側にたくさん入ります。

2023/11/17

 今日のレッスン予定メモ

 新発見の肩、上腕、肘 🟰懐の開け方
 ⭐️手首を止める

 帯脈🟰中丹田🟰腰🟰スタマック の位置
 回し方2種
 内功紹介  ドーナツとその中心

 引き上げによって股関節が分かる

 引き上げには懐開発が必要

 時間があれば 頭蓋骨と目玉の分離 凝神

2023/11/15 <尿活エクササイズ追記 引き上げの重要性>

 

 会陰を引き上げる要領が分からない人は、まず尿道と肛門から始めてみて下さい。

 どちらにしろ、”引き上げる”感覚を掴むのはとても大事。

 余計なところに力を入れず、そこだけ引き上げられるようにします。

 

 紹介したサイトではさらっと大事なことを言っているので、指示通りに尿道と肛門のエクササイズを試してみて下さい。下丹田の感覚を掴む入り口にもなります。

 

 師父は私に、大小にかかわらず、用を足した後は九回引き上げてからトイレを出るように、そして日中も気づいたら引き上げること、そして寝る時も横向きになって腰を丸め、引き上げたまま寝るように、と指導したのを覚えています。

 タントウ功である程度体が緩んだら、引き上げの練習をします。(体が緩んでない時に引き上げの練習はさせません。体が硬直して頭の方に気が上がってしまいます。)

 

 引き上げの練習は普段から、気づいたら引き上げて、落ちているのに気づいたら引き上げる、というもの。癖になるまでやり込みます。

 女性の場合はお尻周辺がどうしても重くなりがちですが、しっかり下を引き上げて、お尻を太ももから引き離して軽くなるように頑張ります。(お尻と太ももの境目がはっきりさせられるようにするのが目標。)

 

  引き上げると内臓も引き上がる(落ちてこない)ので、養生法としても大切です。そして、もちろん、丹田に気を溜めるにも不可欠の要領。冷えなくなります。

  タントウ功、内功、套路、引き上げはマストです。

 

 いかに酸素を取り入れることが大事なのか、を論じています。
 
 肺は酸素を取り入れられないし、二酸化炭素を吐き出さない。
 では、酸素を取り入れる器官はどこか?

 そんな考察から、肋骨の柔軟性、可動域を高める話になります。

 昨日のブログとの関連で言えば、いつも俯いて息を吐いていれば肋骨は固まります。
 正しい位置に立つことで肋骨も動きやすい位置に置かれる

 太極拳の時も、『束肋』と言われたりするのは、意識的にそうでもしなければ肺にいっぱい空気が入って肋骨の前面が上がりそうになるから。
 私は昔、『束肋』は、肋骨を束ねたように固めた状態にすることかと思っていましたが、師父に尋ねたら、「それは肋骨が膨らむから束ねたように感じるのだ」と言われて、よく理解できなかったことがあります。

 

 師父の言った意味が分かるまでに暫く時間がかかりましたが、かいつまんで言えば、丹田に気を落とす時は肋骨も拡がっている。胸に空気を"含んでいる"状態になる。あー、だから『含胸』なんだ、と理解を改めた覚えがあります。『含胸』は決して胸を凹ませることではない... けど、ちょっと凹ませないと空気が入らない、肋骨が拡がらない。そういうこと。


 昨日載せた太極拳の老師達のうち、息を吸っているように見えた2人の老師は胸も緩やかに膨らんでいます。吐いているだけの老師は胸を張り出しているか、胸がぺたんこ、脇に 拡がりがありません。
 
 正しい位置に立つには、頭を思っているよりもかなり後ろに引いて立つ必要がありますが、その位置で立つには肋骨が緩む必要があります。肋骨が弛まなければ後ろに倒れてしまいそうになるので、結局、その位置では立てません。

  肋骨を緩めないと正しい位置に立てず、正しい位置に立たないと肋骨が拡がりにくい(注:この場合の肋骨とは前面の下部肋骨ではなく、前面上部と背面の肋骨です)。
  息は背中側にたくさん入ります。

2023/11/12  <尿活のエクササイズから 下丹田の感覚を掴む>

  今週のレッスンの中で、一人の(男性)生徒さんから、「会陰を引き上げると丹田が消えてしまうんですが...」という話があった。

 目を引いて内側から腹の方を見ながら立っていくと気は次第に腹の方に集まってくる。そこで息をして腹(臍のあたり)が膨らんだり凹んだりするのを暫し見ている。呼吸が次第に深くなり整ってくる。常に息を見守る...

    タントウ功の入り方だ。

 この段階ではまだ会陰云々の話は出てこない。
 両脚はおそらく殆ど棒立ち、もしくは固まっている(前腿に乗っている)

    ここで、命門、腰を開けることを指導する。
 それには"下から"開ける作業が必要になる。
 そこで、「会陰を命門に向けて引き上げるように」というアドバイスを加える。

 このアドバイスを男性に伝える時は注意を要する。なぜなら、会陰を引き上げようとして身体が緊張してしまうからだ。
 冒頭の男性の発言はまさにそのことだった。
 
 彼が、丹田が消えてしまう、と言ったのは的を得ていた。私は彼の質問から、彼が既に丹田の感覚を掴んでいるのを知って驚いた。というのは彼は練習に来始めてまだ間もなかったから。内側を見るのが得意な人だ。

 で、私は彼にどうしたら良いのかを教えなければならない。
 その時、私は、会陰を引き上げたら、胞宮と呼ばれる子宮あたりの場所を気が纏ってほわっとする感覚がある、という話をした。それは衝脈の流れと大いに関係するのだけども、大事なのは理論ではなく、感覚。彼は、そのほわっとする感覚をその場で少し見つけたようだった。

 その日、彼のストレートネックが、あれっ?と、直ってしまったかのようになって私も彼本人も驚いたが、もしかしたら、会陰と命門を繋いだことと、子宮辺りをほわっとさせたことが効いたのかも。 
 彼も大喜びで、レッスンが終わった後も、まだ一人で練習を続けると言って公園に行きました...(その日は室内練習)


  そしてここからが本題

  会陰を引き上げた時の感覚は、尿活のトレーニングの中の尿道エクササイズで膀胱がストレッチされる感覚と似ています。⇨ https://www.kissei.co.jp/urine/activities/training.html

 


  タントウ功や太極拳をする時も、女性の場合は正確には会陰を引き上げられないので、尿道を引き上げたようにした方が上手く行きます。膀胱がストレッチされた感覚が分かれば下丹田の感覚を掴めます。
  併せて、肛門を引き上げて同じように内側がほわっと膨らませられれば命門が開きます。
  
  気温が下がってきても、その要領で子宮や膀胱、腹の中をほわっとさせられれば暖かくなり、腹の中にカイロを入れているかのようになります。まさに、丹田!(丹を煉る場所)、です。


2023/11/10

  今日の王子動画。
 (毎日現れてくるのが私も不思議に思う...)

  https://youtu.be/SSgP-HegamU?si=hdDz-bplhUiUtWL4

  馬歩、タントウ功
 成功するのは20パーセントとか。

 腿を鍛えていたら失敗。
 脚に負担のかからない足腰を作る。

 そんな王子の言う通りです。

「脚の力を抜いて下さい。」
 と指導したら
「脚の力を抜いたら立てません。」
と言った生徒さんもいましたが、
 一瞬、無理!と思ってもやってみなければならない。試行錯誤して悩まなければならない。
 その中で次第に要領を得てきます。
 言うのは簡単だけど、やるのは難しい。忍耐が必要。それを功夫と言います。


2023/11/8

 

  今日も腰の王子。(腰の王子の広告塔のよう?)

  タントウ功とは何かを正確に説明しています。

  ずっと動いている・・・それも超高速。

  タントウ功をすると、内側が常に動いているのが分かる。

  外を止めると内側が動いているのが明確になる。

  その内側の動きを決して止めない。止めたとたん外側は固まる。

  内側の動きをじっと見ていると次第に腹のあたりに収束してくる。

  収束してもその中で(収束してきたあたりを丹田と呼ぶのですが)、まだ何かが(気が)沸々と動きまいている。気は一瞬たりとも止まらない。気の動きが大きくなるとそれにともない丹田の位置や大きさも変わってしまう。

 

  丹田は決して固定的なものではない。

  丹田は時に一粒の砂より小さく、時に宇宙より大きい・・・極少から極大の幅がある、と言ったりする。伸縮自在。

 

  放松が必要になるのは、外側の体の力を抜かないと内側が見えないから。

  一旦内側を見出したら、放松を論じることは無意味。

  放松しよう、と思った瞬間、もうその人は外にいる。

  あたかも、夢の中で放松しよう、と思ったとしたら(思おうとしたら)その瞬間に夢から覚めるのと同じ。

  内側にいる時に放松しよう、とは絶対に思えない。

  意識を内側に置きながら外側の世界を見ているのが武術、武道の世界。

 

  一昨日紹介した眼の運動に関する動画、眼法も内側にいれば自然にそうなるものだ。

 

  王子が丹田があると動けない、丹田は動かないためのものだ、と説明する時の”丹田”は、高岡英夫氏が言うところの”拘束丹田”だ。ギュッと力を集めて作るような丹田。

  座禅で気を溜める時、短時間で丹田に気を溜める時にはそのようにして丹田を作るが、いざ動く時は、それを溶かすようにして丹田の領域、境目をあやふやにしなければならない。実際、丹田に気を溜めて全身を巡らす(周天)させる時は、丹田をゆっくり動かしていく。動かす時は丹田の形はアメーバーのように変わっていく。小さなボールのような丹田が動いている、そんなことはありえない。

 

  ともあれ、丹田を作る最も基本の作り方は、外側の力を抜いて、不安定になったところでバランスをとろうとし続けることだ。

 

2023/11/7

 

  オープンキネティックチェーンとクローズドキネティックチェーン。

 検索をかけたら、Tarzanの記事もあった。

 https://tarzanweb.jp/post-268561

 

 私は王子の動画を見るまでそれらの言葉を知らなかったが、そう言われてみると、ラジオ体操など、いわゆる”体操”は体幹部を固めて四肢を動かしている。これはOKCメインの運動だといえるだろう。

 私のイメージでは、体操は四肢運動、ダンスは体幹運動だ。といっても、ダンスの中でも、OKCとCKCの割合は踊り方によって変わるだろうけど。(参照↓ ダンサーとアイドルの踊り方の違い)

  8/14のメモでとりあげたアトラス君。

  アシモ君からかなり進化したけれど、やはりOKCの運動様式だ。

2023/11/7 <目玉と頭蓋骨は別々に動く>

 

  クローズドキネティックチェーンの論理が目にも当てはまる。

  もちろん、太極拳では(というよりどんなスポーツ、そして子供も)こちらです。

  眼法を間違えると軸は通らない。

  下の動画で王子が紹介しているメソッドは凝神の練習になります。

  眼をどうやって後ろに引くのか分からない人は助けになるかと。

 

  下を見た時に目が落ちてくるような目の使い方は御法度。

  頭と目玉は別々にズレて動く。内側から動く人の共通点。

2023/11/6 <正しい股関節の屈曲の仕方>

 ↓腰の王子の動画参照。

どちらも股関節屈曲。
太極拳の動きはクローズドキネティックチェーンを使っています。
体幹部が迎えに行く。
だから"丹田"から動きます。

王子はこな動画の中で、大半の太極拳愛好者が間違えている点を簡潔に説明してくれています。
太極拳をやればやるほど故障が増える。その核心的理由。

馬歩、弓歩を見直すべき。
入り方で決まります。

2023/11/4 <呼吸と肋骨 含胸の正体>

   今日見た腰の王子の動画を貼り付けます。

 

 いかに酸素を取り入れることが大事なのか、を論じています。
 
 肺は酸素を取り入れられないし、二酸化炭素を吐き出さない。
 では、酸素を取り入れる器官はどこか?

 そんな考察から、肋骨の柔軟性、可動域を高める話になります。

 昨日のブログとの関連で言えば、いつも俯いて息を吐いていれば肋骨は固まります。
 正しい位置に立つことで肋骨も動きやすい位置に置かれる

 太極拳の時も、『束肋』と言われたりするのは、意識的にそうでもしなければ肺にいっぱい空気が入って肋骨の前面が上がりそうになるから。
 私は昔、『束肋』は、肋骨を束ねたように固めた状態にすることかと思っていましたが、師父に尋ねたら、「それは肋骨が膨らむから束ねたように感じるのだ」と言われて、よく理解できなかったことがあります。

 

 師父の言った意味が分かるまでに暫く時間がかかりましたが、かいつまんで言えば、丹田に気を落とす時は肋骨も拡がっている。胸に空気を"含んでいる"状態になる。あー、だから『含胸』なんだ、と理解を改めた覚えがあります。『含胸』は決して胸を凹ませることではない... けど、ちょっと凹ませないと空気が入らない、肋骨が拡がらない。そういうこと。


 昨日載せた太極拳の老師達のうち、息を吸っているように見えた2人の老師は胸も緩やかに膨らんでいます。吐いているだけの老師は胸を張り出しているか、胸がぺたんこ、脇に 拡がりがありません。
 
 正しい位置に立つには、頭を思っているよりもかなり後ろに引いて立つ必要がありますが、その位置で立つには肋骨が緩む必要があります。肋骨が弛まなければ後ろに倒れてしまいそうになるので、結局、その位置では立てません。

  肋骨を緩めないと正しい位置に立てず、正しい位置に立たないと肋骨が拡がりにくい(注:この場合の肋骨とは前面の下部肋骨ではなく、前面上部と背面の肋骨です)。
  息は背中側にたくさん入ります。

2023/11/6 <正しい股関節の屈曲の仕方>

 ↓腰の王子の動画参照。

どちらも股関節屈曲。
太極拳の動きはクローズドキネティックチェーンを使っています。
体幹部が迎えに行く。
だから"丹田"から動きます。

王子はこな動画の中で、大半の太極拳愛好者が間違えている点を簡潔に説明してくれています。
太極拳をやればやるほど故障が増える。その核心的理由。

馬歩、弓歩を見直すべき。
入り方で決まります。

https://youtu.be/ac0CV5jt_T0?si=KNmPfShFD95Fi9eg

2023/11/4 <呼吸と肋骨 含胸の正体>

   今日見た腰の王子の動画を貼り付けます。

 

 いかに酸素を取り入れることが大事なのか、を論じています。
 
 肺は酸素を取り入れられないし、二酸化炭素を吐き出さない。
 では、酸素を取り入れる器官はどこか?

 そんな考察から、肋骨の柔軟性、可動域を高める話になります。

 昨日のブログとの関連で言えば、いつも俯いて息を吐いていれば肋骨は固まります。
 正しい位置に立つことで肋骨も動きやすい位置に置かれる

 太極拳の時も、『束肋』と言われたりするのは、意識的にそうでもしなければ肺にいっぱい空気が入って肋骨の前面が上がりそうになるから。
 私は昔、『束肋』は、肋骨を束ねたように固めた状態にすることかと思っていましたが、師父に尋ねたら、「それは肋骨が膨らむから束ねたように感じるのだ」と言われて、よく理解できなかったことがあります。

 

 師父の言った意味が分かるまでに暫く時間がかかりましたが、かいつまんで言えば、丹田に気を落とす時は肋骨も拡がっている。胸に空気を"含んでいる"状態になる。あー、だから『含胸』なんだ、と理解を改めた覚えがあります。『含胸』は決して胸を凹ませることではない... けど、ちょっと凹ませないと空気が入らない、肋骨が拡がらない。そういうこと。


 昨日載せた太極拳の老師達のうち、息を吸っているように見えた2人の老師は胸も緩やかに膨らんでいます。吐いているだけの老師は胸を張り出しているか、胸がぺたんこ、脇に 拡がりがありません。
 
 正しい位置に立つには、頭を思っているよりもかなり後ろに引いて立つ必要がありますが、その位置で立つには肋骨が緩む必要があります。肋骨が弛まなければ後ろに倒れてしまいそうになるので、結局、その位置では立てません。

  肋骨を緩めないと正しい位置に立てず、正しい位置に立たないと肋骨が拡がりにくい(注:この場合の肋骨とは前面の下部肋骨ではなく、前面上部と背面の肋骨です)。
  息は背中側にたくさん入ります。

 

 結局、頚椎の下の胸椎1番、2番、3番が動かないとならないのだ。ここで、含胸の必要性が現れる。それができないと、首は胸椎とつながらない。このあたりは、腰の王子が重点的に教えている箇所だ。

 

 胸椎上部と頚椎が繋がって、首が背中から生えていると感じられると頭は自然に立つ。

 虚霊頂勁がやっと分かるようになる。

 

 実際には、胸椎上部と頚椎が繋げられるためには、仙骨が立ち上がる必要がある。そして仙骨が立ち上がるには腹圧(丹田)が必要だ。このあたりは並行して練習する必要がある。

 

 首が通れば、息はとて入りやすくなる。

 自然にしていて息がどのくらい入るか、は体の質を決める重要なファクターになる。

 

 生徒さん達に簡単に実験してもらうことがある。

 真っ直ぐに立って、そこから後ろへと後退りしてもらう。その時、呼吸はどうなったか?

 そして、それから反対に、直立から前方へ歩き出してもらう。息は吐いただろうか、吸っただろうか?

 座った状態からうつ伏せになろうとする時の息は?

 そして仰向けに寝ようとする時の息は?

 

 分かったと思うが、前に進む時、うつ伏せになる時は呼気だ。

 反対に、後ろに進む時、仰向けになる時は吸気だ。

 

 真っ直ぐに立った時、ほとんどの人は呼気優位の姿勢で立っている。

 つまり、幾分前に倒れている。

 そこから、頭を後ろに引いていって、後ろに倒れそう、と思った瞬間に息は突然入ってくる。吸気に切り替わる。

 うつ伏せから仰向けに移行する時に、呼気から吸気に移行する瞬間、そこが、バランスのとれた真っ直ぐの場所だ。(追記:冒頭の画像で顎を引き過ぎて頚椎が硬直した姿勢では呼吸が止まる)

 そうすると、立ち位置は随分後ろだと気づくと思う。

 こんな後ろでは到底立ち続けられない、と思うはず。

 だから、腹のおもりが必要になる。含胸が必要になる。子供のような立ち方になる。

 

 下は「おむつCMで出てくる赤ちゃん」達の画像。

 

 自分で立って前後に体の軸をずらしてみて、どこで吐いて、どこで吸うのかを確認して、普段、できるだけ、吸える位置に近いところに頭の位置を定める訓練をするのも有益。私が現在実践中。 

 自分がやると、人を見て、吸っているのか吐いているのか分かるようになります。

 スマホを扱うとどうして息は吐きがち。かといって、胸を張ってもそんなに息は入ってきません。鼻が眉間まで通る必要があります。

 

 息が通る道を通せば軸は通り、正しい姿勢になる。

 軸を見つけるのに息は欠かせません。

2023/11/2

 

  そう言えば、師父は”軸を通す”という言い方をしたことがない。

 きっと、『搓骨』((糸を撚るように)骨を両手で擦り合わせる)といってやらされた練習が、軸を作るためのもの。

 

 軸は真っ直ぐ立っていても現れない。

 動きの中で現れてくる。

 まずは捻ることで軸がはっきりする。

 それを積み重ねることで、次第にど真ん中に柱のような空間が貫通するようになる。

 最初から中央にドカーンと軸を通すことはできない。いや、そもそも、軸は通せない。軸は現れてくる。

 ・・・それは地道に練功するしかないのだが

 

 以下では、太極拳の動作に現れた捻り、軸について、画像で考察しようとしたもの。

 自分のためのメモ。

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『今日のメモ』毎日の練習は気づきの宝庫。太極拳の練習の成果が何に及ぶかは予測不可能。2012年9月〜のアーカイブは『練習メモアーカイブ』へ

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練習のバイブル本

 『陳式太極拳入門』

   馮志強老師著

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2012/3/20

日本養生学会第13回大会で研究発表をしました。

発表の抄録、資料はこちら